不眠症とは

不眠症ってどんな状態?1)

「不眠症(ふみんしょう)」とは、単に「昨夜、よく眠れなかった」ということではありません。

眠るための時間や環境が十分にあるにもかかわらず、「睡眠の問題」が慢性的に(目安として週3日以上、3ヶ月以上)続き、その結果、日中に様々な不調(だるさ、集中力低下、イライラなど)が現れて「つらい」と感じている状態を指します。

つまり、「眠れないこと」自体と「日中の不調」がセットになって「不眠症」と診断されます。

不眠症の主な3つのタイプ

厚生労働省の調査3)では、日本の成人約5人に1人(20.4%)が睡眠で休養が十分にとれていないという結果が出ており、しかもこの割合は以前の調査結果よりも増えています。

不眠症の「眠れない」という症状は主に3つのタイプに分けられ、これらは複数が組み合わさって起こることもあります。

不眠症の主な3タイプ 2)

入眠障害 (にゅうみんしょうがい)

布団に入ってもなかなか寝つけず、寝付くまでに30分以上かかる状態です。

中途覚醒 (ちゅうとかくせい)

眠りが浅く、睡眠中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝つけない状態です。

早朝覚醒 (そうちょうかくせい)

自分が起きようと思っていた時刻より、2時間以上も早く目が覚め、再度寝付けない状態です。

不眠症につながる主な原因1)

不眠症の原因は人によって様々ですが、いくつかの要因が重なり起こることが多いです。

心理的なストレス

仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安、緊張などを指します。「今夜も眠れないかもしれない」という不安自体が、さらに眠れなくさせる悪循環になることもあります。

生活習慣の乱れ

夜遅くまでの残業、不規則なシフト勤務などで寝る時間や起きる時間がバラバラな状態、特に交代制勤務(シフトワーク)の方は、体内時計が乱れやすく注意が必要です。

寝る前のカフェイン(コーヒー、お茶)やアルコールの摂取、寝る直前のスマートフォンの使用(ブルーライトによる脳の覚醒)、日中の運動不足なども影響します。

環境の変化

引っ越し、転職、旅行などで環境が変わった場合や、寝室が暑すぎる・寒すぎる、騒音がうるさい、明るすぎるなどの環境要因です。

心や体の病気

体の病気や痛み(頭痛、関節痛など)、かゆみ、頻尿(夜中にトイレに起きる)、睡眠時無呼吸症候群だけではなく、うつ病や不安障害など心の病気から、症状の一つとして不眠が現れることがあります。

なぜ不眠は長引きやすいの?

眠れない日が続くなかで「今日も眠れなかったらどうしよう」と不安になったり、睡眠にとって良くない習慣を続けてしまうことで、かえって眠りにくい状態が慢性化してしまうことがあります。

このように不眠が慢性化してしまう原因には、3つの因子が関わっています。

不眠の慢性化に関わる因子 4)

準備因子
不眠につながりやすい「元から持っている素質・体質」のことです。例えば、心配性、神経質、遺伝的に眠りが浅いなどの素質を持っていると、不眠の症状があらわれやすくなります。
結実因子
不眠を引き起こす直接的な「きっかけ」のことです。例えば、ストレスや病気、環境の変化などがきっかけとなって、眠りにくい状態になることがあります。
永続因子
不眠を長引かせる最も重要な要因です。例えば、眠れない時間を補うために早く寝床に入りすぎる、長い昼寝をする、寝酒といった不適切な行動や、「8時間眠らないと」というこだわりや焦りから、一層眠れなくなることがあります。

これらの習慣や考え方によって、寝床に入るだけで緊張したり、「ベッド=眠れない場所」という誤った条件付けを脳に作り上げてしまうこともあります。

もし「不眠症かも」と思ったら

まずは、上で挙げたような生活習慣を見直すことが大切です。寝る前にスマホを使用したり、カフェインを摂っていないかなど、不眠に繋がりそうな行動に目を向けてみましょう。

それでも「つらい」と感じる状態が続く場合は、無理せずかかりつけ医や睡眠を専門とする精神科・心療内科・睡眠障害科などに相談してみましょう。「たかが眠れないだけ」と軽視せず、必要に応じて医師に相談することも大切です。

参考文献